離婚した場合、それぞれの相続権はどうなるのか?
当事務所の相談事例
Aさんは、結婚して、子供2人をもうけましたが、離婚して子供2人は妻が親権者となり養育しました。
Aさんは、再婚し、再婚相手との間に子供が2人できました。後妻は、Aさんより先に亡くなり、Aさんは後妻の遺産である500万円の預金を相続しました。Aさんが亡くなり、後妻の子は、話をしたこともない前妻の子に自宅の相続登記のため弁護士を依頼して連絡をとりました。Aさんの預金は、Aさんが老人ホームに入っている間にほとんど後妻の子が引き出しています。
相続人は、前妻の子2人と後妻の子2人の4人で相続分は、各4分の1となります。前妻の子は当事務所に依頼し、預金の取引履歴を調査して、後妻の子の使い込みを発見し、後妻の子の弁護士に請求しましたが、お金がないと言ってとりあわないので使い込み金の返還を求める訴訟となりました。
Bさんは、妻と離婚後,再婚しました。後妻には、連れ子がおり、Bさんは連れ子と養子縁組をしました。Bさんが亡くなり、先妻の子2人と後妻と養子が相続人となりました。相続分は、後妻2分の1、先妻の子と養子は各6分の1です。養子はBさんの相続を放棄しました。Bさんの遺産の自宅には後妻が住んでいます。
先妻の子の1人が遺産分割調停の申立をしましたが、調停ではまとまらず、審判となり、自宅が先妻の長男と共有だったので、家庭裁判所は共有審判をしました。先妻の子は後妻の預金の引き出しを問題として使い込み金の返還を求める訴訟を提起しました。
Cさんは、妻と離婚後、再婚しました。先妻には、子が3人いました。後妻との間に子はなく、後妻の子は既に成人していたので同居せす、養子縁組もしていません。Cさんが亡くなり、Cさんの後妻はCさんの遺産のマンションに住んでいます。
法定相続分は、先妻の子3人が各6分の1、後妻が2分の1です。先妻の子は、後妻にマンションから出て行けと言っていましたが、後妻はマンションを出なかったので、遺産の預金を調査し、マンションの売却と預金の使い込みで遺産分割の調停の申立を家庭裁判所にしました。
Dさんは、不貞をし、妻と別れ、交際相手と結婚しました。Dさんは父の遺産の戸建てに後妻と住み、先妻と子2人はマンションに住んでいます。Dさんが亡くなり、後妻は、先妻の子2人に遺産分割案を提案しましたが、先妻の子は、Dさんが離婚の際に先妻に解決金を払うと証文書いたのに履行しなかったと言って、遺産分割に応じず、家庭裁判所に遺産分割調停の申立をしました。法定相続分は後妻2分の1、先妻の子各4分の1です。
離婚して再婚した場合の相続
このように離婚して再婚すると相続人が先妻の子と後妻の子、後妻と先妻の子となり、血のつながりのない相続人となり、後妻のおかけで、父から捨てられたと先妻の子と元々対立関係にありますので、相続がもめることが多いです。財産がたくさんあればいいのですが、後妻の自宅が遺産の場合は、これを売却して分けなければならないことともありますので、生前対策をしておく必要があります。
当事務所ではこのような紛争事案を扱った経験が豊富ですのでぜひ当事務所にご相談ください。
熟年離婚と相続注意すべきポイント
離婚前
離婚協議に時間がかかり、亡くなった場合は、配偶者である夫や妻に財産を相続されることです。
離婚の場合は、夫婦共有財産の2分の1ですが相続の場合は、先祖代々の遺産も含めた全財産の2分の1となります。したがって、遺言状を書いておけば、配偶者の相続分を遺留分だけにできますので、遺言状を書いて、おくべきです。また生命保険の加入は、特別受益や遺産とならないので遺留分対策となります。
離婚後
離婚後は相続人は、子のみとなります。子がない場合は、父母や兄弟姉妹が相続することとなりますので、相続してほしい人に相続させる遺言状を書いておく必要があります。
再婚後
後妻と先妻の子がもめるケースが多いので、後妻のために遺言状を書いておく必要があります。
生命保険を遺留分対策に利用することも検討しましょう。先妻の子の相続分について遺留分を侵害する遺言状とするか、遺留分の相続まで認めるかは御本人にお決めいただきます。
今やるべき相続対策
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- 財産調査
- 遺言書作成、家族信託
- 相続税対策(相続税評価を下げる工夫)
亡くなるとどこにどんな財産があったかは遺族にわかりませんので調査に苦労します。
収益物件を管理する必要がある場合や、遺産の一部を後妻に相続させず子に相続させる場合
例えば、金融資産で不動産を購入・金融資産で生命保険に加入(非課税枠の利用)・収益物件の塗装工事や改装工事を行い、金融資産を減らす・更地については、借入をして収益の得られる建物を建て、収益で借入金の返済するなど。
当事務所の弁護士は、相続問題解決実績数300件以上、長年のノウハウと解決実績がありますので、ぜひご相談ください。
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