立退き補償金の財産分与・住宅ローン支払を婚姻費用に算入した事例

分野 財産分与 婚姻費用 立退き補償金

ご依頼者:50代 性別 女性 職業 パート

子ども:3人(いずれも独立)

・ご相談までの経緯

 2年前に相談者が自宅を出て別居した。自宅が道路の拡張で立退きになり補償金が出る予定。財産分与でもらえますかと相談にみえました。

・背景

  ご依頼者は退職金をもらって早期退職し、パート勤め 夫は公務員

・解決までの流れ

 相談 受任

 ・結果

 婚姻費用 月7万3000円

 離婚

 財産分与

 自宅が2分の1の共有だったので補償金は、2分の1で各ローンの支払

 一部取り壊し後の自宅は、2分の1の持分を夫に分与

解決ポイント

夫と妻名義の住宅ローン

 ・婚姻費用 

妻が妻名義の住宅ローン払っていたが、弁護士相談の結果、居住していないので夫に支払を依頼。

夫が払っていたが、婚姻費用から差引を認めるかが争点となる。

前の裁判官は住宅ローンは、財産分与で考慮し、婚姻費用では考慮しない。1か月11万円とのこと

裁判官が交代し、夫の基礎収入から夫の払っている妻分の住宅ローンは共有の建物の債務だから差し引くという。

短期労働者の賃金センサス130万円で月7万3000円で婚姻費用成立

・財産分与

補償金の算定は、建物全部の解体を前提にしている。

一部解体後の建物は無価値。居住する夫に無償で分与。

夫の両親が居住する建物とこの増築費用である夫のローンの一部を共有財産から除外

補償金は2分の1で各住宅ローンを払った後の残りを取得。

裁判官によって意見が異なる一例です。

執筆者プロフィール

藤井義継
藤井義継
保有資格
弁護士 ファイナンシャルプランナー2級 家族信託専門士

所属弁護士会・登録番号
兵庫県弁護士会第20510号

取扱分野
相続・離婚・債務整理

出身地
神戸市