W不倫の慰謝料の解決事例

 

1 ご相談の経緯

  結婚生活23年目の相談者(40代女性)は、夫(40代)との間に子3人を授かっていましたが、相談者の不貞が夫にばれ、夫は、弁護士を依頼して不貞相手に損害賠償を請求しました。すると不貞相手の妻の弁護士から、相談者に500万円の慰謝料の支払を求める内容証明郵便が届き、当事務所に相談に見えました。

2 示談交渉

  当職が受任し、不貞相手とその妻は、離婚して、慰謝料を支払済みとのことでしたので、その額を相手方弁護士に知らせるよう要求しました。

    相手方弁護士は、慰謝料120万円を月1万円の分割払の部分以外は、黒塗りとした公正証書の写しを送付してきました。

    黒塗り部分以外の開示を求めたところ他の部分の見出しと財産分与のみを開示してきました。  

120万円は離婚慰謝料と不貞慰謝料なので不貞慰謝料は60万円でその半額の30万円を支払うという提案をしたこところ

500万円は、当方の夫が相手方の夫に請求している金額であることを相手科方代理人が明らかにし、訴訟を提起すると言ってきました。

2 訴訟では、相手方代理人では、公正証書の養育費の部分を開示しました。当方は、夫婦共有財産がないのに財産分与をしており、財産分与の既払280万円は、実質は慰謝料の支払であり、訴訟の慰謝料の上限は300万円であるので残額は20万円と争いました。

3 和解成立

和解では、相手方の妻が当方夫と100万円で和解したので、100万円以下では和解できないと相手方代理人は主張し、裁判所の勧告もあり、結局95万円を分割払での和解となりました。 

4   このようにW不倫では、双方の慰謝料額のバランスが問題となります。なお当方夫と相手方夫との示談は、法的には当方と相手方の妻の示談に影響はありませんが、実際はこのように影響があるのです。