1 ご相談の経緯
依頼者は、妻と結婚して20年ほどのサラリーマンで、子1人は結婚して自宅を出ていますが、妻の不貞が原因で平成21年に妻が家を出て別居しましたが、平成28年に海外へ単身赴任したところ、妻が自宅に戻り、令和4年に帰国後は、依頼者がワンルームマンションを借り、別居していました。妻が依頼した弁護士から離婚を求める手紙が届いたことで当事務所にご相談にみえました。
2 弁護士の進め方
妻の代理人は、次のとおりの要求をしていました。
- 婚姻費用 27万5000円
- 財産分与 自宅を夫から妻へ財産分与で所有権移転、離婚後もローンの支払の継続
- 年金分割
- 養育費19万5000円
離婚請求については
妻に不貞があり有責配偶者である。
婚姻費用・養育費については
自宅の光熱水費等が依頼者である夫の口座から引き落とされている。
障害者である長男が成人しているが無職である。
離婚後、夫の収入がなくなるので、長男は、障害基礎年金が受給できる。
妻は無職であるが、100万円のみなし収入を計上する必要がある。
夫は、ローンを支払いかつワンルームを借りており、妻について住居費を婚姻費用から差し引く必要がある。
財産分与について
退職金の共有部分をたくさんにするため基準時を別居時でなく離婚申出時を主張している。
といった問題があり、相手方代理人と交渉しました。
3 解決内容
- 婚姻費用
婚姻費用1か月23万8000円、妻のみなし収入100万円、自宅の住居費2万2247円を差引。
養育費
長男が成人しているので扶養料として14万5000円、障害基礎年金を差引。
- 財産分与
別居時で合意 自宅の時価-別居時のローン残額-退職金等の財産分与額を差引、1300万円の代償金を妻が夫に支払う。こととなり、住宅ローンの残額は、妻からの代償金で支払ローンはなくなりました。
4 事件解決のポイント
妻側は当初、自宅を無償で取得し、残ローンは夫払を主張していましたが、自宅を査定したところ、自宅の価値が高いことがわかり代償金1300万円を払うことになりました。相手方弁護士から手紙がきたからいってうのみにせず離婚事件に強い弁護士に依頼することがポインです。